災害に強いガスには、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。
前者は都市部に多く、地下のガス管を通ってガスが届けられますが、後者はプロパンの中にガスを詰めて使用し、ガスが無くなれば詰め替えます。
それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらのほうが良いとは一概には言えないと思いますが、両者のガスの種類は違っており、都市ガスはメタンを中心とした液化天然ガス(LNG)、プロパンはその名の通りプロパンやブタンを主成分とした液化石油ガス(LPG)が使われています。
都市ガスが通っているところではどちらか一方を選ぶことができますが、都市ガスが通っていないところでは必然的にプロパンガスを選ばざるをえません。
以前住んでいた東北地方では、都市ガスが通っていなかったのでプロパンガスを使っていました。
そのときまで都市ガスしか使ったことが無かったので、使い比べてみると、色々と違う点があることがわかりました。
ガス代が上がった
まず気が付いたのがガス代が上がったということです。
月1,000~2,000円くらい高くなったような印象があり、これはかなりきつく感じました。
基本料金が高く設定されているのでこれは仕方がないのですが、ではなぜ基本料金が高く設定されているのかといえば、定期的にガスボンベを交換しなければならないため、その分の人件費がかかってくるからだろうと思います。
ただでさえ東北の冬は気温が低くなり、ガスを多く使用することになります。
そのためいっそうガス代が高くなってしまうのです。
これは安月給のサラリーマンにとってはかなり辛いことでした。
寒冷地手当も出るのですが、すぐに無くなってしまいました。
【参考】ガス代が高い原因と対策!簡単なプロパンガス料金の節約方法とは?
ところで、このガスボンベの交換は、はた目からみていてもかなりハードな仕事です。
ボンベは相当の重量があり、代車に乗せて運ぶのですが、舗装されていない土や石の上を運ばなければならなかったり、細い隙間を通って壁やクルマなどを傷つけないように慎重に運ばなければならない家も少なくありません。
さらに東北地方は冬に大雪が降ります。
そうなると、代車を転がすのも一大事です。
雪の表面は一定ではなく、柔らかい部分があれば硬い部分もあります。
凸凹していることも多く、タイヤを転がすというよりもソリを引っ張るような感じになるのですが、それでも大変そうでした。
お金を払っているとはいえ申し訳ない気持ちとなり、少しでも運びやすいようにガスボンベを運ぶ場所の雪かきをしたものです。
プロパンガスは止まることがある
二つ目に、プロパンガスは止まることがあることがわかりました。
一定時間を超えて使い続けると、ガスが自動で止まるようになっています。
これはガス漏れ防止対策なのだろうと思いますが、それを知らなかったのものだから、いつのまにかお風呂のお湯が冷たい水に変わっていてびっくりしました。
それと共に、リセットしてガスが出るように戻すのも一苦労でした。
都市ガスではこのようなことはありませんので、想定外の出来事でしたし、両者の違いを感じました。
災害に強い
三つ目に、災害に強いということです。
東日本大震災が発生した際に、多くの人が都市ガスがストップしてしまい大変な苦労しました。
しかし、プロパンガスを使用している人は問題なくガスを使うことができたのです。
このようなメリットがあるとは思ってもみませんでした。
実際、私が住んでいるエリアは幸いライフラインがストップしてしまうような被害とはならなかったのですが、もし私が住んでいるエリアに大きな自然災害が発生しても、ガスが止まってしまうことがないと思うと安心感につながりました。
火力が都市ガスよりも強い
四つ目は、火力が都市ガスよりも強いということです。
そのため中華料理屋さんのようなレストランでは、都市ガスが通っていても、あえてプロパンのほうを選ぶというお店が少なくないのだそうです。
ただ、実際の使用感としては、火力が強くなったと明確な差を感じることはほとんどありませんでしたので、この事実を知った時には少し驚きました。
ただもしかしたらこれは、ガスコンロの性能によるものかもしれません。
もっと大きな火力を発生させることができるガスコンロを使っていたら、中華料理店のように火が噴きあがるような火力を得ることができたのかもしれません。
このようにメリットとデメリットの両方があることを理解しておくことは大切だと思います。
特に都市ガスがない地域で仕方なくプロパンガスを使っている方にとっては、このような良い点を知っていると割り切ることができるようになるかもしれません。
まとめ
ところで、都市ガスに比べてガス料金が高くなりがちなプロパンですが、同じエリアで扱っているお店は複数ありますので、料金の比較をしてみるのも手です。
私自身は何もしませんでしたが、後から考えたらその手があったと思ったのです。
今は電気もガスも自由化され価格競争も起こっていますので、知らない間にお店によって大きな価格差となっている可能性があります。