福島原発廃炉を進める中での様々な問題

生活

2011年3月11日、東日本大震災が発生し、それに伴って福島原発では様々な事故が発生しました。
全部で6基の原子炉がありますが、そのうちの1と2、3号機は炉心溶融に至り、更には1と3と45期においては水素爆発により原子炉の建屋が全て損壊するという災害に見舞われたのです。
東日本大震災からは既に10年以上が経過していますが、現在原子炉の解体に向けて様々な準備が進められている状況です。

炉心溶融によって生じた燃料デブリの取り出し

事故が発生した原子炉や、そして廃炉の状況について、現在どうなっているのかと疑問に思う人も多いことでしょう。
福島原発の廃炉は様々な問題に直面していると言われていますが、どのようなことが難しいのかと思う人も多いものです。
ハードルは大きく分けると五つに分けられますが、その中でも一番難しいと言われているものが、炉心溶融によって生じた燃料デブリの取り出しです。
高い放射線量の中で、溶け落ちた燃焼デブリを回収しなくてはならないのです。
水素爆発によって瓦礫が散乱し、この瓦礫にも阻まれています。
使用済み燃料プールからの使用済み燃料の取り出しも簡単なことではありません。
汚染された廃棄物処理やこれからも増え続けると言われている汚染水の対策、また作業を行う労働者等の労働環境の向上も大きな課題です。

原子炉の現在と今後の作業計画について

原子炉の現在と今後の作業計画についても頭に入れておく必要があります。
まず1号機についてですが、27から28年度には使用済み燃料の取り出しを開始することから、現在は水素爆発で産卵した瓦礫の撤去作業が進められています。
炉心溶融で生じた燃料デブリの取り出し時期に関してはまだ決まっていません。
そして2号機はロボットアームによって燃料デブリの試験的な取り出しを22年に開始することが決まっています。
炉心溶融に至った1から3号機の中では、一番速い動きと言えるでしょう。
24から26年度には、使用済み燃料の取り出し開始が決定していて、原子炉建屋の南側においては、そのための開口工事も進んでいます。
また建屋の西側には17年5月には開口が設けられていて、現在では調査ロボットなどの出入り口としても使用中です。
次に3号機ですが、21年の2月末には、燃料プールからの使用済み燃料の取り出しが終わりました。
1号機と同じように炉心溶融で生じた燃料デブリの取り出し時期はまだ未定です。
4号機は事故当時は定期検査の中で炉心には燃料がなく、1から3号機に見られた炉心溶融はいたりませんでした。
このようなことから燃料デブリはありません。
14年12月に燃料プールからの使用済み燃料の取り出しが終わり、現在では一番スムーズに廃炉作業が進んでいると言えるでしょう。

廃炉が完了するのはどんなに短くても20年はかかる

このような状況にありますが、廃炉が完了するのはいつ頃なのかと言うと、どんなに短くても20年はかかるといわれています。
また長ければまだ30年はかかると思う言われているのです。
政府は中長期ロードマップと呼ばれる廃炉の工程目標をまとめましたが、廃炉措置の完了時期に関しては、すべての原子炉が冷温停止状態に至った、11年12月から30から40年後なのではないかと見込んでいます。

福島原発の廃炉の費用に関して

福島原発の廃炉の費用に関してどれくらいの費用がかかるのかと思う人も多いかもしれません。
政府は16年12月に試算を公表しましたが、それによると約8兆円ほど、そしてその他にも被災者への賠償や除染、中間貯蔵の費用などを合わせた場合には、総額21.5兆円にのぼるともされています。
廃炉の跡地に関しては現時点では具体的には決まっていませんが、更地に戻すのは難しいのではないかという見方もあります。
政府の発表した中長期ロードマップにおいては、廃炉が完了した後の跡地に関する言及がなされていません。
過去には更地に戻した例がありますが、福島原発は事故を起こしたことから、通常の廃炉を経たものとは状況が全く異なります。

現在の冷却システムや汚染水の状況

現在の冷却システムや汚染水の状況については、1から3号機は崩壊熱を発する燃料デブリが残ったままなので、現在でも圧力容器内に水を注いで冷却を持続中です。
炉の中の構造物や燃料デブリに触れたこの水が、つまり汚染水になっているということです。
この汚染水がどこからか漏れだし、原子炉の建屋の中に流れたしていることが分かっています。
それに加え建屋内に流れ込んだ地下水や雨水などが混ざり、汚染された滞留水となったのです。
現在は原子炉の建屋と繋がるタービン建屋から、汚染された滞留水を回収した上で、再び炉心冷却に注水するシステムが構築されています。

【まとめ】敷地内のタンクの容量はいつまでもつのか

敷地内のタンクの容量はいつまでもつのかと言うと、21年2月時点では、貯蔵タンク数は1000基以上もあります。
20年12月には計画していた総容量のタンク設置が完了していますが、これも22年の夏にはいっぱいになってしまうでしょう。
処理水の処置は待ったなしの状況となっています。
世界では廃炉を完了した原子炉は世界に17機あるとされています。
アメリカでは13基、ドイツには3基、そして日本の1基です。

 

参考
株式会社アトックスについてのまとめ

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